この時期に流行とは

A型とB型、2種類のインフルエンザが流行している。発熱と倦怠、痰のからんだセキが主症状で、ともにさほど重症感はない。インフルエンザワクチンの2回目の接種のピークが今週で、来週からはインフルエンザワクチンの1回目の接種が再開される。流行とワクチン接種がこのような形で重なる(逆になるというべきか)のは新型インフル騒ぎ以来で、とても珍しい現象だ。流行が2か月早く、ワクチン接種が1か月遅れたためだ。
アセトアミノフェンの問題は、薬剤が出荷されるということで、薬がなくなるという事態は避けられそうだ。明日のテーマは学級閉鎖ではないかと思っている。木曜日が祝日なので、今週で流行が終息に向かうことを期待したい。
食物経口負荷試験、経口免疫療法などは、個人的には素人っぽくて、危険で、何の役にも立たないと思っているので、全く興味がないのだが、痛ましい事故(?)は憂鬱になる。アレルギーの基本は「逃げるが勝ち」だ。ドンキホーテのように突進していくことに、私は美学を感じない。これは個人的な感想なのだが。

アセトアミノフェン

10月17日のブログでも触れたが、解熱剤のアセトアミノフェンの原末に、無認可の中国製原末が入っていた問題を受け、アセトアミノフェン製剤が入手できなくなった。内服薬のカロナール細粒や、アンヒバ坐薬が、この1か月入手できていない。このインフルエンザ騒ぎで、在庫が底をついてきた。院外処方にすれば解決されるが、院外薬局も在庫は少なくなっているだろう。
営業停止処分も解除され、アセトアミノフェン原末は出荷されているようだが、製品になるまでには、もう少し時間がかかりそうだ。子供の解熱剤はアセトアミノフェンが基本。皆さんにご迷惑をおかけする事態になる可能性がある。
前回も書いたが、インフルエンザワクチンも製造量が少なく、例年に比べて入手できる量は、昨年の60%から70%になるだろう。日本脳炎ワクチンも2社で製造されていたが、1社の製造が止まって、品薄状態が続いていた。その1社の製造は年末には再開されそうだが、十分に供給されるには、もう少し時間がかかりそうだ。当院と「すぎなみ」では不足することなく、何とか持ちこたえられそうだ。

インフルエンザの現状

まず、インフルエンザワクチンの話から。今日は夕方まで「すぎなみ」で接種&診療が行われた。待ち時間が長くなったようで。私は診療が終わって、1時半ごろにワクチンの補充に行ったのだが、「すぎなみ」の待合室には多くの患者さんがおられた。当院は11月27日から新規の接種を再開する予定。来週は2回目の接種が中心になるのだろう。
小学校でインフルエンザの流行が広がっている。近くの小学校で、3つのクラスが閉鎖となった。A型で1クラス、B型で2クラスである。今週でインフルエンザと診断された方は、30名を超えている。A型とB型がほぼ同数。30名を超えると、流行と呼べるだろう。この時期の流行はきつい。2学期はまだ1か月以上残っている。もう少し広がりを見せるだろう。
来週はインフルエンザがテーマになるのだろう。次の週はインフルエンザワクチンがテーマだ。ワクチンの不足に加えて、解熱剤の不足が重なりそうで、精神的に疲れる11月だ。

急速経口免疫療法による有害事例

(お知らせ)
インフルエンザワクチンの入荷予定が、ほぼわかりました。来週は2回目の接種が多い予定なので、11月27日(月曜日)から時間内の接種を開始します。接種対象の制限はありません。ワクチンの在庫がある限りとさせていただきます。
(本文)
私はこのブログでも、食物アレルギーの経口負荷試験に消極的であると書いてきた。臨床の場で、食物の種類、検査データ、年齢、アトピーなどの症状、患者さんの背景などのすべてを考慮して、「牛乳を○○ccから飲ませて下さい」などと指導する。まあ、これが経口負荷試験なので、実際の臨床の場で普通に行われる行為だ。これを経口負荷試験と称して、嫌がる患者さんに無理やり食べさせるのは、私のポリシーに反するし、その負荷試験が一時的に成功しても、半年後には食べられなくなる確率は極めて高いというデータがある。食べているとアレルギーが強くなって、1か月後にアナフィラキシーショックを起こす。当然のことだ。
今回の症例は、「食べさせて治す」という治験で起こったようだ。人の体は変化する。同じ状態が継続するわけではない。食べているとアレルギーは強くなるのが基本。食物の種類やデータのレベルにも関係するが。以前の事故も牛乳であった。危険な挑戦はするべきではないと、私は思っている。危険は察知できるのだ。
患者さんの回復を願っている。家内と散歩する時に、経口負荷試験が時々話題に登る。「負荷試験を受けたいので紹介してほしい」と、患者さんから依頼されることがあるからだ。私も家内も神尾も、快く紹介状を書いている。患者さんの要望には100%こたえるのが我々の仕事だ。散歩の時に、「僕が勤務医だったら、空きベッドを埋めるために負荷試験をしたかもしれないなあ」とつぶやいたことがある。追い詰められたら人間は弱い。私も例外ではない。その時、家内はあっさり「あなたがそんなことをするはずないでしょ」と言った。

しらすパイ

インフルエンザワクチンの入荷は定期的にあるものの、2回目の接種でほぼ使い切る状況が続いている。今月の末には、自由に接種できるかな?と思っている。「すぎなみ」は少し余裕があるので、今週の金曜日と土曜日はインフルエンザワクチンの接種する予定だ(カルテのある方のみ。世田谷の助成は受けられない)。「すぎなみ」はハルの学芸会があるため、土曜日の午前中の前半は山角が、後半からは神尾が診察し、午後も診察が予定されている。詳しくは「すぎなみ」のブログを参照してほしい。当院は通常通りの診察で、インフルエンザワクチンの2回目の接種はOK である。
近隣の小学校でA型インフルエンザとB型インフルエンザが流行しており、A型で学級閉鎖もあり、B型で学級閉鎖も出ている。学芸会で感染が広がらないことを願っている。学芸会に参加できない子供たちも可哀想。だが、これはしかたがない。
昨日は冷たい雨が降った。患者さんが少なく、時間に余裕があるのが有り難かった。夕方「静岡からお客さんです」と言われ、名前を聞いて驚いた。大げさだが、死ぬまでに会っておきたいと思う人が何人かいる。昔の患者さんで、10名ぐらい会いたいと思う子供たち(今は大人だが)がいた。その半分は、既に私を訪ねてきてくれている。昨日会いに来てくれた方は、残り子供たちの一人だ。29年ぶりだろうか?
雨で足場の悪い中、富士宮から会いに来てくれた。積もる話を30分ぐらいできたのは、医者冥利につきる。横で山角がニコニコしながら話を聞いていた。「先生がフラッと病棟に現れてみんなを集めてトランプをしてくれたのが楽しかった」と言ってくれた。私は「治療で本当に迷ったよ」と話した。最後に「写真を」と言われ、二人の写真を山角が撮ってくれた。
お土産の1つが「しらすパイ」。浜松はうなぎパイ、静岡はしらすパイだ。このお土産を食べていると、家内が「あなたの人生、仕事しかないかな?」と。私は昔出会った子供たちに、まだ会う機会はあると思っている。しらすパイを食べながら、少し長生きするのもいいかな?と思った。