院長の独り言(発熱)

「なぜ、病院に来たのか?」。その主な理由を主訴という。この時期からは「熱がでた」が多い。次女もハルの熱には神経を使っている。保育園児の突然の発熱は頭が痛い。発熱は悪い物なのか?
「病気と戦っているのだから、下げる必要はない」などとは、私は思っていない。発熱は人間にとって大切なサインだ。踏切の警報器、身近な物では目覚まし時計?警報器が鳴らなかったら、多くの死者が出る。発熱は病気の始まりの警報であり、警報が鳴り続けている時は、危険が持続していることを示す。
発熱がなかったら、髄膜炎や肺炎なども見逃され、手遅れになるだろう。痛みも同じだ。麻酔が効いている時は危険だ。大けがの元。警報器が悪いのではない。警報器が鳴っている状態が危険なのだ。その意味では、発熱は大切な情報である。
では、熱は下げるべきだろうか?個人的にはどうでもいいと思っている。目覚まし時計が鳴った。眠たいのでそのままにしておこうが、目覚ましのボタンをおそうが、本人の勝手だ。但し、ボタンを押したことは覚えておかなくてはならない。一定の時間が経つと、目覚ましは鳴る。解熱剤の効果が切れたから。ボタンを押さなかったら、警報は鳴り続いていたはず。
目ざまし時計は眠っていると、音は次第に大きくなる。熱も長く続くと、危険度は増す。ヘルパンギーナのように、突然の40度。でも、翌日に平熱になるのなら問題はない。38度は3日以上は危険だ。血液検査が必要になるだろう。
解熱剤の使用は、目覚ましのボタンを押す感覚だ。うるさければボタンを押す。熱で苦しそうで機嫌が悪い場合は、解熱剤を使ってもいいだろう。楽になるのなら、それでいい。しかし、子どもには強い解熱剤は使わない。アセトアミノフェンが主流だ。アンヒバ坐薬、カロナールは覚えておこう。
保育園児のハルを育てている次女は、「救外に来た患者さんには、解熱剤は出すね。このまま朝まで様子をみてとは、とても言えない」と言う。子育てをしているお母さんの気持ちが解るからだろう。「それでいいと思うよ」と私。
これから半年は、発熱に苦しめられることになるだろう。私より苦しいのはお母さんであり、子供自身だ。「発熱は目覚まし時計のベル」ぐらいの感覚がちょうどいい。たかが熱、されど熱?

今週の待ち時間

10月17日から23日のインフルエンザの発症数は433名であった。沖縄が165名とトップであり、東京は15名である。保育園や幼稚園で、風邪の流行はあるが、RS,マイコプラズマは少なくなった。溶連菌やアデノウイルス感染が少しというところ。今週も予防接種がお薦めである。
先週、B型インフルエンザの患者さんが来院された。東南アジアからの持ち込みのインフルエンザであり、流行することはないだろう。待ち時間は0から20分ぐらいでは?
今週の木曜日(11月3日)は7時半から9時まで診療する予定。朝早くて申し訳ありません。「発熱」について書く予定でしたが、用事が入ってしまいました。後日に。

ニジイロクワガタ

昨年から育てていたニジイロクワガタの♂と♀の幼虫は、♂がサナギになるところで失敗(蛹化不全)。♀は成虫になり、診察室で飼っていました。ゾウカブトの幼虫も蛹化不全で失敗。マットの湿度の問題ではなく、酸素不足が原因ではないかと推測しています。蛹化不全と羽化不全は良くあることなのですが、大変残念。今年は成績が悪いですね。
今週、ニジイロのオスをいただきました。季節外れですが、繁殖させようと思っています。
季節柄、インフルエンザワクチンで来院される方が多いですね。久しぶりの方も多く、個人的には楽しんでいます。ワクチンがいささか心細い状態ですが。
ニジイロ 005
入口に飾ってあるニジイロ。昼間に活動する。暖かい時間帯には出てくるはず?

今年のインフルエンザワクチンは接種部位の発赤と腫脹が強い

今年のインフルエンザワクチンについては、このブログでも説明してきた。この話題は接種する側としては避けたいところだが、そういう訳にはいかないだろう。問題点は接種量の増加である。
0歳児は0.1mlを2回→0.25(ただし生後6か月以降)を2回に変更(2.5倍)
1歳から3歳未満は0.2を2回→0.25を2回(1.25倍)
3歳から6歳未満は0.2を2回→0.5を2回(2.5倍)
6歳から13歳未満は0.3を2回→0.5を2回(1.7倍)
13歳以上は0.5を1回(変更なし)
13歳未満はおよそ2倍の増量であり、3歳からは成人を同じ量を、2回接種することになる。海外と歩調を合わせたのだろうが、私は納得いかない。今までの接種量には、どのような意味があったのだろうか?少な過ぎて効かなかったという証拠でもあるのだろうか?逆に、倍増することで、効果がでるという証拠があるのだろうか?不活化は量を増やすことによって、抗体は高くなるはず。抗体が高くなったら有効になる?型の問題ではなかったのか?
13歳未満の2倍の接種量は、当然の事ながら副反応は強くなる。接種した部位の、発赤や腫れ(局所反応という)が2倍になる可能性がある。誤解を招かないように説明したい。2倍になったからと言って、局所反応の頻度が2倍になる訳ではない。頻度ではなく、局所反応が強くでるということだ。
1) 局所反応が出ない児童。
2) 今まで、局所反応はなかったが、今年はでる可能性がある児童。
3) 過去に局所反応がでたことがある児童。
この3つのグループがある。倍量の接種でも、1群は全く問題ない。2郡の頻度が上るかは解らないが、局所反応が出た時は強く出る。3群は確実に大きく腫れる。昨年も腫れた子供は、今年は腫れが強い。1回目に肘を越えるぐらい強く腫れた場合には、2回目は接種を薦めていない。この点については、次回にでも説明したいと思う。
要は増量されたことによって、「腫れる人は強く腫れる」ということだ。ついでに、ワクチン不足に繋がる可能性が高い。おそらく11月後半に。
ニジイロ 007
患者さんの写真は掲載したくはないのだが、お許し願いたい。肘の下まで腫れている。肘の5センチ上で周囲の長さを比べると、およそ5センチほど差がある。

生きてるだけで、丸儲け

「父、生きてるだけで丸儲けだよ。無理は禁物」と会うたびに長女は言う。最近、長女は医師らしくなってきたと思う。毛色の変わった長女であったが、最近は本当にまともな事を言う。厳しい患者さんにかかわって、色々考えることがあるのだろう。
長女とは基本的に仕事の話はしない。聞かれたら答えるだけだ。私との会話は断片的だが、時々ハッと思わせる言葉を吐く。「生きてるだけで丸儲け」とは、長女らしい感性から出た言葉だ。
今年は震災もあった。台風の被害も大きかった。人生の半ばで、病魔に倒れる人もいる。その感慨がこの言葉には詰まっているのだろう。長女は「欲を出してはいけない。静かに、謙虚に生きてくれ」と私に言いたいのだと思う。私は血の気が多い。周りとの軋轢を避け、暴言を吐くなとも言いたいのだろう。
私はまだ「生きてるだけで丸儲け」という心境には達していない。欲が深すぎる?

最後の配信

昨夜、メールを開いたところ、「最終配信」という文字が目に入った。友人の高田君からは、毎日メルマガが送られてくる。毎日の仕事の内容や悩み、喜びが伝わってくるメルマガであった。「長い間、拝読、有難うございました」という文から、最後のメルマガは始まっていた。
最初はブログを書いていたようだ。おそらく、上からの圧力があって、メルマガになったのでは?6年以上、毎日続いたブログとメルマガであったようだ。私にはこの3年間、毎日送られてきた。彼とは毎日会っているような気持になった。ご苦労様と伝えたい。
ブログは誰でも閲覧することが出来る。メルマガは発信者から、一方的に特定の人だけに、情報が送られてくる。ブログとメルマガは根本的に違う。「誰でも閲覧できる」ことに、不都合を感じた上層部もいただろう。彼は組織のトップではあるが、その組織は大きな組織の一部に過ぎない。
昨日は彼の58歳の誕生日であった。「58歳まで続ける」と心に決めていたようだ。彼自身の1つのゴールである。他に理由はない。その気持ちはよく解る。彼の恩師である、先輩館長2人が57歳で他界している。尊敬する先輩を(年齢的にも)越えたかったのだろう。1つの区切り。彼には長生きして、もっと活躍してほしい。
私は完全なる自由業であり、自他ともに認める自由人である。このブログのゴールは決めてはいないが、私が次に切る4枚目のカード(仕事を辞める時)が、おそらく「最終配信」になるのだろう。「高田君ご苦労様。そして、誕生日おめでとう!」

練馬で学級閉鎖。インフルエンザが原因?

突然、練馬区の小学校6年生で学級閉鎖の報道があった。全員ではないにしても、一部はインフルエンザによると解釈される。前のブログでも書いたが、最新の情報では、都内インフルエンザの発症数は、1週間で27名であった。限局された地域での流行と考えられる。
世田谷でも1か月前に、まとめて数例の報告があった。最近では1週間に1,2名である。全国的に見ると、A香港型インフルエンザと推測される。インフルエンザは当院には姿を見せていない。喜ばしいことだ。当分の間は「お会いしたくない」という心境。インフルエンザワクチンを接種する横で、インフルエンザの患者さんを診察するという状況は避けたいものだ。
(報道より)
東京都教育委員会は24日、練馬区立の小学校で、6年生児童の一部が季節性インフルエンザを含む集団風邪を発症したため、25日から3日間、学級閉鎖を実施すると発表した。都内の公立学校で学級閉鎖は今季初めて。 都教委によると、同校では24日、6年生全1学級の児童35人のうち10人が39度以上の高熱やせきなどの症状で欠席した。

かぼちゃ

予想に反して、昨日の診療は静かに終わった。今週も予防接種がお薦め。病気の大きな流行はない。
小学校の頃は、野菜作りに凝っていた。ナス、きゅうり、トマト、かぼちゃなど、育てて食べるのが大好き。一番好きな野菜はかぼちゃ。嫌いな野菜はニガウリであった。今はゴーヤと呼ばれるニガウリは、さすがに育てる気にはならなかった。あの苦みが苦手だった。
今でもかぼちゃ、ナスは大好物。かぼちゃは煮物、天ぷら、そして家内の得意のかぼちゃのグラタンが、3大メニューである。グラタンはミートソースをベースにする。
かぼちゃは育てて楽しい。ツルの広がりが、何とも言えず雄大であり、日々成長するかぼちゃを眺めるのはワクワクする。「野菜を作るならかぼちゃだ」が口癖。但し、広い土地が必要なので、この願いは叶えられないだろう。秋になって、最後に採れたかぼちゃは保存していた。冬至に食べるためだ。
10月末はハロウィン。ケルト人の収穫祭が起源だ。もともとカブを使っていたのだが、いつのまにかかぼちゃに。豊かな実りに感謝するお祭りである。
浜ちゃん 001
保育園でハロウィンのお祭りがあるらしい。その衣裳を着たハル。ハロウィンは近い。

柏市のセシウム騒動

今朝は6時前に起床して、家内と散歩に出かけた。雨上がりで、気持ちがいい。ウォーキングをしている人も多く、挨拶を交わしながらの散歩となった。しかし、今日の散歩は一味違う?
手にはガイガーカウンターがあった。地上1Mや土の上に置いて、放射能を測定してみた。「芋ほりなどの、土をいじる行為は安全なのか?」との宿題があり、ガイガーカウンターを4日間、患者さんから借り受けていた。この機器はRADEXという名前で、他のガイガーカウンターに比べて、測定値は高く出るようだ。0.04から0.05ぐらい高いのでは?
散歩中の測定値は最高で0.17、最低で0.09μシーベルトであった。0.17×24×365÷1000=1.5ミリシーベルトが年間の(外部)被曝量になる。甲州街道が0.13、神田川沿いが0.14、上水公園が0.13ぐらいであった。
この測定値を見ると、芋ほりなどの土遊びは問題ないのではないか?私はそのように判断した。かなりの距離を歩き、ヤブの中や土の上、アスファルトの上も測定した結果だ。
ところが、家に帰って新聞を見ると、以下の記事が載っていた。信じられない数字である。あまりにかけ離れている。今回の原発騒動との因果関係を調べる必要があるだろう。
(報道記事より)
千葉県柏市根戸の市有地で毎時57・5マイクロ・シーベルトの放射線量を検出した問題で、市は22日、地表から約30センチ下の土壌から、1キロ・グラムあたり最高で27万6000ベクレルと高濃度の放射性セシウムが検出されたと発表した。市は当初、原発事故との関連は「考えにくい」としていたが、文部科学省はこの日、「原発事故以降、各地で検出されているセシウムが出たことで関係があるともないとも言えなくなった」とし、市と協力して原因を解明する方針。土壌サンプルは地中30センチで2か所、地表面1か所で採取。最高値の内訳は、半減期が2年のセシウム134が12万4000ベクレル、同30年のセシウム137が15万2000ベクレル。

激しい雨

明日(10月23日、日曜日)はインフルエンザワクチンの接種日である。2時から4時までは診療、4時から6時までが予防接種の時間となる。昨夜から激しい雨が降っている。スタッフ3名と次女も手伝ってくれるだろうが、激しい仕事になるのだろう。待ち時間が長くなることはお許し願いたい。
10月10日から16日までのインフルエンザの発症数は、全国ベースで296名。東京は27名であり、沖縄が101名と最も多い。次いで愛知の46名であった。
「この冬のシーズンに出荷が予定されていたインフルエンザワクチンの一部に異物が混入して、およそ236万本が出荷できなくなったのを受けて、一部の医療機関では、ワクチン接種の予約を制限するなどの影響が出ています。」との報道があった。インフルエンザワクチンの接種量が、3歳から大人と同じ量になって、しかも2回の接種。厚労省は「十分に足りる」と主張しているが、11月にワクチン不足になる事態は避けて通れないだろう。2年前の新型の時のように、ワクチンの需要がなくなってから供給されても全く意味がない。「必要な時にない」状態になることを、不足すると表現する。当院は予約制ではない。当院をかかりつけにしている方を中心に接種したいと思っている。

神奈川県知事VS厚労大臣

先日も取り上げた話題だが、予想通り厚労省は「望ましくない」との見解を出した。小宮山VS黒岩の論戦が続いている。論戦と言うより、単なる井戸端での小競り合いだ。
知事の論点は
1)生ワクチンは危険だ。
2)未接種者が増えている。(今年の春は、全国レベルでは18%の減少)
3)世界的に見て、日本は遅れている。
厚労大臣の論点は(2と3は推測だが)
1)日本ではまだ未承認であり、安全性は確認されていない。
2)全国規模で接種できるワクチンの輸入の目途は立っていない。
3)日本ではDPT-IPVという4種混合ワクチンへの移行を考えている。勝手な事を自治体単位でするな。
では、どちらが正しいのだろうか?個人的には、厚労大臣が正しいと思っている。「生ワクチンが危険」ならば、全員を不活化にすべきではないのか?希望者のみ、それも有料である。6000円にすれば、利益は十分に出るだろう。それはいいとして、神奈川県が輸入することで、不活化に移行する時に必要な、不活化単独ワクチンの確保が難しくなる可能性もある。他国からの「買い占め」批判を浴びる材料にもなる。不活化への移行は、短期間で終えるのが、トラブルを避けるコツだ。
当院でも希望者に不活化を接種している。神奈川でも希望すれば、接種できない環境ではない。「県が先導して、有料で」というのは、不活化推進に逆行する行為?今回については、私は厚労省を支持したいと思う。
(報道)
ポリオ予防接種で、神奈川県が打ち出した不活化ワクチンの独自輸入方針について、小宮山厚生労働相が「望ましくない」と批判したのに対し、黒岩祐治知事は18日の定例記者会見で「ほとんどの先進国は不活化ワクチンを使っており、日本はワクチン後進国だ。国がなんと言おうと、神奈川は断固実行する」と、全面対決する構えを見せた。
ウイルスを死滅させる不活化ワクチンは、日本の定期予防接種で使われている生ワクチンより安全性が高いとされるが、承認は2012年度中になる見通し。不活化ワクチンの承認を待って、生ワクチン接種を控える動きが広がっており、県内でも、今年4-6月に生ワクチンを接種した子供は、前年同期比で約21・5%減の6万2524人だった。県は準備ができ次第、5か所の県保健福祉事務所で週1回程度、希望者に不活化ワクチンを接種する方針。

おしゃべり

私は良くしゃべる。そして、早口である。学会で発表する時には、原稿用紙1枚を1分と計算する。私は2枚分を1分で発表する。時間がもったいないので、「でありました」とは言わない。「である」「と考える」と短くしゃべる。これは、習ったわけではなく、短い時間で、いかに多くの情報を提供するか?と考えた、私流のスタイルである。「若い者は礼儀を知らない」と、遠回りに嫌みを言われたことも、1度や2度ではない。このブログでも、丁寧語はほとんど使わないのは、私流の礼儀だ。(内容については無駄が多過ぎる?)
「よくしゃべる」ことと、「口が堅い」ことは、全く別の問題である。職業柄もあり、個人情報の問題もあるので、「口が堅い」ことの重要性を、娘たちには話してきた。私も家内も、当然の事ながら「口は堅い」。口にしてはならないポイントは絶対に話さないし、個人を特定できる話はしない。話してはならない基準というものがある。これは、内容と個人の立場によって、微妙に違うものだが。
「口が軽い」人間には2つの弱点がある。自分の考えや判断に自信がないこと、つまり不安感が口を軽くする。もう1つは、威張りたいからだ。つまり自慢だ。不安感と自慢には、注意が必要だ。逆に、口が堅くなるには、不安感と自慢する気持ちをコントロールすればいい。「弱い人間は、口が軽い」ことは、私自身肝に銘じている。
「しゃべらない」事はストレスとなる。それを処理する方法は、口の堅い相手と、本音で雑談をすることだ。私は家内と散歩をしながら、好き勝手な話をする。本音の暴言、放言である。この内容は絶対に漏洩しないし、お互いの確認事項となる。これがストレスを貯めない、最高の手段だ。

診察室の放射能レベル

9月の電気使用量は、前年度の17%のマイナス。つまり、17%の節電となった。真夏を過ぎ、個人的には節電意識が薄くなっているので、この数字には満足している。意識しなくても、節電モードになっているのかな?
患者さんがガイガーカウンターを持ってきて、診察室の放射能を測定してくれた。測定値は0.15マイクロシーベルトであった。問題のない値である(放射能の単位は難しい)。学校や幼稚園の校庭などの戸外に比べて、室内の方が高い値がでるようだ。世田谷の校庭のデータは0.1以下である。足立区のプールの横は、雨水が溜まる場所でもあり、高い値が出たのだろう。診察室や待合室のデータが、低い値であったことは、1つの安心材料である。
(報道より)
東京都足立区は17日、同区東和の区立東渕江小学校の敷地内で、毎時3・99マイクロ・シーベルトの放射線量を検出したと発表した。
区によると、年間の積算放射線量は約21ミリ・シーベルトで、福島第一原発事故で計画的避難区域に指定される目安の年間20ミリ・シーベルトを超えるという。
検出されたのはプールに隣接する機械室の雨どいの下(地表5センチ)。同じ場所で地上50センチでは0・41マイクロ・シーベルト、同1メートルでは0・24マイクロ・シーベルトだった。局所的な汚染と見て、同区は児童が近寄れないようにする措置を取るとともに、今後、周囲の土を削るなどの除染作業を行う。区では「福島第一原発の事故の影響で降雨中に含まれた放射性物質が、雨どいの下で蓄積された可能性がある」とみている。

肉まん

昨日、松本に住む長女から、手作りの肉まんが送られてきた。小ぶりの肉まんだが、暖めて私の朝食となった。
家内と肉まんの話になった。肉まんと言えば、井村屋であった。私が肉まんを始めて食べたのが、大学1年の学園祭の時。暇にまかせて、大原三千院までテクテク歩いた。11月の下旬で京都は空気が冷たく、紅葉は見ごろであった。大原へ通じる道は、連休のため大混雑。歩く方が早く着いた。
大原に着いたところで、空腹感を覚えた。食事をするにもお金がほとんどない。そこで見つけたのが、蒸し器に入った肉まん。当時の値段は記憶にないが、1個買って食べたのを覚えている。初めて食べた肉まんは熱く、おいしかった。
以後、夜空腹になると、ときどき近く店に肉まんを買いに出かけた。当時は井村屋の肉まんであり、季節は冬限定。「肉まんは贅沢品だから」と家内は言う。100円以下ではあったが、学生にとっては贅沢品だったと思う。当時はお金が無くなると、吉田寮というボロボロの学生寮に忍び込み、30円ぐらいでで定食にありついた。
ハムカツ(ハムよりもコロモが4倍ぐらい厚い)とキャベツ、味噌汁は食べ放題。と言っても、具は大きく切ったキャベツだけ。
今朝はそんな時代を思い出しながら、長女の作った肉の多い贅沢な(?)肉まんを味わっていた。

今週の待ち時間

RSウイルス感染も、マイコプラズマ肺炎も下火になった。やっと静かな診療に戻った。予防接種がお薦めなのだが、ポリオの集団接種があるため、DPTなどの乳児の予防接種は少ない。これからはインフルエンザワクチンの接種が、主なテーマになるのだろう。今週の待ち時間は、10から30分と予想している。但し、夕方はインフルエンザワクチン接種の方が多くなるため、30分を越えることもあるだろう。
1)ポリオについては、不活化ワクチン(IPV)の導入は、早くとも来年の年末になる予想。来年は生ポリオ(OPV)の接種が行われるだろう。IPVを希望される方は、当院でも接種は可能である。「全く接種せず」が最も危険。
2)23日(日曜日)は午後2時から4時まで診療、4時から6時まではインフルエンザワクチンの接種時間となる。診療時間内では、十分な接種時間を取ることができない。
3)インフルエンザワクチンの接種量が、13歳未満ではほぼ2倍になった。3歳からは0.5mlとなり、大人と同じ接種量である。不安を煽ったり、接種を薦める意図はないが、当院での可能接種回数は昨年の70%ぐらいになると計算される。
4)接種量の増加は、接種した部位の腫脹や発赤の増大を招く。強い局所反応を起こした方は、2回目の接種は中止としたい。
5)0歳児のインフルエンザワクチンの効果について質問があった。従来の接種量は0.1であり、少な過ぎるという指摘があった。今年からは0.25と2.5倍になった。有効性のアップに繋がるのだろうか?抗体は上がるだろうが、それで予防効果が上がると単純に考えていいのか?
6)当院では1回目を接種された方のワクチンは、必ず確保してきた。今回の増量は、いろいろな意味で計算しにくい状況にある。2回目の確保は、一応努力目標ということにさせていただきたい。
以上、連絡事項。

超訳?迷訳?ひょっとして誤訳?

10日以上前になるだろうか、朝のニュースで訃報の報道があった。時間を確かめるために、朝はテレビをつけている。その放送で「Stay hungry.Stay foolish」という音声が流れた。私は箸を止めた。正確に言うならば、果物を食べていたフォークが止まった。故人がスタンフォード大学の卒業式で演説した場面だ。大変有名な文言のようだが、私は全く知らなかった。
この文言は故人のオリジナルではなく、いわゆる座右の銘であったようだ。このような文言は、使われた前後の文脈によって解釈が違う。私は前後の文脈は知らない。ここからは故人の話とは切り離して、Stay hungry.Stay foolishという文言についての感想である。個人的にはこの前向き(?)な文言に感動している。
私はこの言葉を聞いて、「アスペ族の言葉」と思った。だから、箸が止まったのだ。アスペ族とは広い意味でのアスペルガー障害の種族を言う。普通の人はこのような言葉は使わない(故人の事を指しているのではない)。しかし、この言葉は夢を抱かせる言葉だ。
これを訳してもらおう。「貪欲であれ、愚直であれ」と訳されている。これは正しい訳である。私は語学が苦手だし、人前でしゃべるのも嫌いだ。訳しても、とんでもない訳し方をする。超訳と言えば聞こえはいいが、迷訳か誤訳と言っても間違いではない。「現状に満足するな。熱中しろ。そうすれば、必ず道は開ける」。これが私の表向きの超訳である。私の裏の超訳は「現状に満足するな。すべてを捨てて集中しろ。そうすれば、ごく稀に成功することがある」となる。
当然の事ながら、私は裏の超訳が正しいと思っている(だから、試験の点数が低い!)。夢を追って、新しい分野に切り込むことは、大変に難しい。自分が素晴らしいと思っていることは、ほとんどが他人に認められないし、支持もされない。これが現実である。成功するのは1000人に1人以下ではないか?故人は紆余曲折があったとしても、稀な成功者である。他の999名は悪く言えばホームレスである。挑戦は心を打つ。但し成功者の足元には、累々とした死者の山ができる。私はそのような挑戦を、多くの人に勧める気持ちにはなれない。足の引っ張り合いが得意な日本人には、真似をしてはならない事だ。私は高校3年生の時に、自分の才能を過信することは危険だと認識した。
この20年、Stay hungry.Stay foolishの道を歩んだように見せかけて、のし上がった日本の似非(えせ)著名人のほとんどが、現在は破産しているか、牢獄に繋がれている。モラルも能力も全くなかっただけなのだが。本当に才能に恵まれ、運をつかむ能力を兼ね備えた、ごく一部の人間のみが成功する。私の裏の超訳は間違っているだろうか?

神奈川県が不活化ポリオの集団接種?

神奈川県で生ポリオ(OPV)と並行して、不活化(IPV)を集団接種するという報道があった。自費で5000から6000円。十分なワクチンが確保されるのか?自治体が主体の、集団での自費接種。果たして実現するのか?という疑問は残る。接種するのは医師だ。県知事や県議会議員が接種する訳ではない。医師の合意が得られるのだろうか?
硬くて、面白くない話ばかりを書いてきた。私に用事が入ったのだが、この時期に留守という訳にはいかない。代役を産休中の三女に頼んだ。14日に静岡から呼び戻した。
カイ 016
帰省してきたカイ。18日で4か月になる。子供の成長は早い。

院長の独り言(本音)

昨日のブログの続きである。「本音で話す」ことしか、私は興味がない。逆に、「口が硬い」ことにも意味がある。「本音で話す」ことは難しいことだ。酒に酔ってのバカ話は簡単だし、恰好を付けての、ごまかし話も簡単である。
「本音で話す」ことに必要な物は何か?勇気である。自分の心を正直に表現することは、恥をさらすこととほとんど同じだ。恥をかいても本音から出発しないと、方向を誤る。出発点が間違っていたら、到達点はあらぬ方向に。
自分の症状を正直に話す事も、勇気が必要だ。診断名を言われるのは怖い。一生、薬を飲まなければならないのか?癌ではないのか?医者にかかるだけで勇気が要る。最近になって、私はその事実に気が付いた。その点を考えるならば、私は勇気がないと思う。
話は脱線したが、本音で話す勇気を持とう。但し、話す相手を間違ってはいけない。心から信頼できる相手を選ぶべきだ。家内や姉、娘たちには本音で話をする。私は友人は少ない。「本音で話ができる」のが友人である。「俺は300人も友人がいる」と自慢するのは、本当の馬鹿だ。
「友人は一人もいません」と聞いて、私は背筋が寒くなった。本当に能力が高く、口が硬い奴だ。友人などいなくても、周りが放っておくはずがない。自然に人が集まってくる。人間とは本当に面白い生き物だと思う。

補足と暴論

昨日は2つのブログを慌てて書いてしまった。補足する必要がありそうだ。
放射能の問題。当院の近辺および診察室でも、患者さんに放射線量を測定していただいた。どの地域でもほぼ同じ値で、問題はなさそう。なぜ弦巻の一部で高く出たのだろうか?除染しても下がらないことから、放射能を発する物体が、通り沿いにあるのではないか?人体に影響のある問題なので、究明を急ぐべきだが、個人の権利に直面するかもしれない。
(結局、民家の床下のビンから放射能が出ていたらしいですね。ビンに何が入っていたのか?福島の事故とは関係なさそうで一安心?)
「65歳からが本当の人生」と友人に言ったのには、前置きがある。65歳まで働くことができるのは、大企業で25%前後、中小企業で65%前後だ。定年後の人生は、精神的にも経済的にも負担が大きい。特に男性は現役であることに、生き甲斐を感じる。「65歳からの人生設計の準備を怠るな」と伝えたかったのだ。食事をしながら、本音で話をしていたので、最後のまとめの意味がある。
(暴論)
本音で話ができるのが、友人であり仲間である。私は恰好をつける人間は嫌いだ。どの業種でもそうだが、同業者は本音で話をしない。だから、同業者とは極力付き合わない。「先生は本当に腕が良く、教科書的な処方をする」と言われたら、「君はヤブだ。都合がいいのでこの調子でやってくれ」と解釈する。当たり前のことだ。
4月にポリオの生ワクを薦めるブログを書いた。ツィッターで同業者から、「常識はずれ」「無知」という批判を浴びた。これは「俺は開業してIPVで客集めをしたい。邪魔をしないでほしい。正直、OPVでもIPVでもどちらでもいいと思っている。稼ぐためならワクチン代のダンピングだってやるよ」と、正直に言えば、友人として扱う。「ライフワーク」だとか、「子供たちのため」などという嘘はダメだ。退場である。IPVの体制が整っていないのに、「OPVは危険だ。接種するな」という理論はない。
医療が面白くて、のめり込んでしまうのは、すべて「本音のやりとり」だから。患者さんが私に嘘を言っても仕方がない。逆もまた真。お互いの信頼関係で医療は成り立つ。ここに私が熱中する原点がある。本音の話は有益であり、楽しい。しかし、この仕事にはとんでもない副作用がある。「人を信じやすくなる」ことだ。

世田谷区弦巻の区道で空間放射線量が高値

今日2つ目のブログとなる。このブログは単に報道に追随したものだ。なぜこの時期に、世田谷で高い放射線量が検出されたのだろうか?この区のデータは間違ってはいないと思う。この半年、大雨も降ったし、台風も来た。雨水の流れで、これほどの値が出るのだろうか?患者さんが測定した、近隣の放射能のデータは高くない。理由の究明はすべきではないのか?子供達が行く川場村についても、高いという報道がある。再調査の結果を待ちたい。
(報道記事より)
東京都世田谷区は12日、同区弦巻5の区道で、区が安全の目安としている空間放射線量(毎時0.23~0.25マイクロシーベルト)の約11倍にあたる最大毎時2.70マイクロシーベルト(6日現在)を測定したと発表した。区は「通行するだけでは身体に影響はない」としているが、住民の不安に配慮し、周辺を立ち入り禁止にする緊急措置を取った。
 区環境保全課によると、区民が3日、区道の歩道部分を簡易測定器で測定し、「放射線量が高いようだ」と報告。区が圧力洗浄した後、6日に9カ所を測定したところ、0.08~2.70マイクロシーベルトを検出した。
 区道は住宅街にあり、区立松丘小の通学路に指定されている。歩道部分は車道より低くなっていることから、同課は「雨水が集まり、放射線量が高くなった可能性がある」としている。今回の結果を受け、区は子供の安全確保のために今月下旬~11月、区内にある258カ所の公園の砂場で空間放射線量を測定することを決めた。

一通の手紙

昨日、一通の手紙が届いた。バンコクに引っ越した患者さんからの便りであった。「ぼくはバンコクの生活にもなれてきて、元気にくらしています。僕が通っている学校は2500人の生とがいて、ぼくの3年生だけでも10組まであり」と、バンコクでの生活が、丁寧に詳しく書かれていた。写真も同封されており、元気な姿を見て、大変懐かしくもあり、嬉しく思った。この場を借りて、「ありがとう」と伝えたい。
昨日、1人の新患の方が来られた。私は生年月日を見落としていた。「昔、静岡の子供病院で診ていた患者さんと同性同名だ」と思った。診察室に入ってきた方は、女性であった。「昔、先生のお世話になりました」と言われて驚いた。23年ぶりになるのか?私のカメラで撮った入院患者さんの集合写真に、彼女の顔があったはずだ。勤務医時代を思い出し、懐かしく思った。
今日は九州に住む中学時代の同級生が顔を見せてくれた。診察中であり、短い時間であったが、色々な話ができた。私は最後に、「身体と心には、十分に気を付けよう」と声をかけた。
3日前は新宿で、大学の同期と食事をした。「学会で(九州から)行くので、食事をしよう」と連絡を受けていた。彼とは本音で話せる。「昔は良かった」などという、後ろ向きの話はなしだ。私は前向きで、本音の話しか興味がない。2時間以上話をしただろうか?違う分野の仕事の話を聞くのは面白い。医学部の教授の定年は大学によっての違うが、一般的には65歳。普通の職業に比べて恵まれている。他学部の友人は、既にほとんどが退職しているか、嘱託扱いである。
ここ数日で、思わぬ出会いがあった。前回のブログの、「松元君」もその一人だ。懐かしくもあり、有意義な出会いでもあった。同期の友人を丸ノ内線まで送った。最後に「65歳からが本当の人生。今からその手配をしろよ」と囁いた。うなずいた友人と握手をし、通り雨の降るタクシー乗り場に向った。

別府市立山の手中学校

またまた、変わったタイトルのブログを書き始めた。これは全く私的な内容で、申し訳ない(いつも私的だ!)。
数日前、「山手中学校(別府)の卒業生でしょうか?」というタイトルが、「拍手」のコメントに寄せられていた。内容は「突然、メッセージを送りすることをお詫びいたします。ネットを検索しているときに目に留まりました。私は中学校3年の時に仙台に転校しました。人違いでしたらご容赦ください。」との内容であった。
返信の方法がないので、このブログで返事を書きたいと思う。個人を特定できる文を書くつもりはない。私は別府市立山の手中学校の卒業生である。当時は1学年で440名は在籍していた。中学校3年生の時に転校したのは「松元」君ではないか?あだ名は「鉄仮面」であったはず。間違っていたら、お許し願いたい。転校した後で、私は君が転校した事実を知った。父親の職業は自衛官。お父さんの位はーーと書くと書き過ぎであろう。軍隊には少尉、中尉、大尉、少佐などの位があった。当時は一尉、二尉、三尉、一佐と呼ばれていたはず。私は松元君を覚えている。これで答えになっただろうか?
私は勉強についてはほとんど興味がなかったが、人についてはとても興味を持っていた。同学年など、名前だけでなく性格まですぐに把握してしまう。ついでに家庭環境までも。これは才能ではなく、単に「興味があるから」だ。山の手中学校の前には、今は公園になっているが、大きな自衛隊の駐屯地があった。多くの子供達が転入し、そして転出していった。今となっては時効だが、「駐屯地の社宅に住む親の位と、子供の人間関係について」が、私の中学校時代の1つのテーマであった。これは大変興味深い問題である。私が社会人になって、病院の住宅に住むようになっても、そのデータは役に立った。おそらく、会社などの社宅でも同じ原理のはずだ。
小学校の時に興味があったのは、先生の家庭環境と教育方針であった。母に「OO先生は結婚しているのか?仲はうまくいっているのか?子供は何人で、成績はどうか?」と聞いていた。情報通の母は、断片的にデータを教えてくれた。今でも記憶に残っている。その情報を知らないと、相手の本意が解析できないのだ。母が「タケシは本当に悪かった。担任が可哀そうでならなかった」と、最後に言った背景がここにある。いわゆる「とてもタチの悪い子供であった」。しかし、この事実は母以外は知らない。私は大切な個人情報を漏らすことはなかった。
話は脱線したが、人間学は本当に奥が深くて面白い。私は歴史などの総論よりも、各論が好きだ。最近は時間もなく、友人との会話も少ない。1日24時間で何が出来るかが、私の年齢的なテーマとなっている。残された少ない時間は、家族と仕事に費やすことになるだろう。同窓会などで昔を懐かしむ時間は残っていない。君は「松元君」だろうか?君の事は私の記憶の中で、今でも生きている。

ハルの肺炎騒動

昨日、マイコプラズマ肺炎の説明をした。このブログは次女の了解を得て書いている。「皆さんの参考になれば」とのこと。
ハルは1歳2か月の男児で、保育園に通っている。先週の日曜日(10月2日)の夕方から高熱が出た。迅速検査でRSは陰性、インフルエンザも陰性、アデノも陰性であった。症状は高熱とセキ。危険を感じて点滴を付けた。輸液は700ml。CRP(血液の炎症反応、正常値は0.5以下)は0.2であった。風邪と判断して、軽いセフェム系の内服薬で様子を見た。
翌日(3日)は次女は仕事を休んで看病に。検査はすべて終わっている。午前中は解熱して、元気であった。しかし、午後からは症状は急激に悪化した。高熱と激しいセキ、ぐったりとして元気がない。水分も取れないので、夜に点滴を付けた。採血でCRPは13.8に急上昇。抗菌薬の静注を開始した。通常ならば肺炎という診断で入院というケース。
マイコプラズマ肺炎の可能性もある。普通は1歳のマイコは少ない。事態は急を要する。マイコも考えて、テトラサイクリン系の薬剤の内服を併用した。24時間の点滴となった。セキがひどくて眠れない。次女も徹夜で、3時間おきに痰を取っていた(私は眠っていたが、家内は次女をサポートしていたようだ)。入院以上の治療内容である。
4日の午後には解熱して、少し元気になった。CRPは4.9に低下。危機は脱した。抗菌薬がよく効いた。マイコを疑って採血。マイコのIgM検査もあるが、PA法は感度がいいので、診断はつくだろうと予測した。マイコの抗体(PA法)は80倍であった。1歳2か月で80倍なら、診断はほぼ確定である。数日もすると1万倍以上になっているはずだ。PA法は感度のいい検査だ。次回の採血で抗体上昇を確認できるだろう。
結局、6日にはほぼ復調した。結局、強力な治療のお蔭で(?)、幸運にも次女は3日ほど仕事を休むだけで済んだ。ハルは既に新型インフルエンザ(昔の名前)とB型インフルエンザにもかかっている。今年の夏は手足口病に2回罹患。今回はマイコだ。
次女は「救外のお母さんの気持ちが良く解る。ハル(の病気の経過)が一番勉強になる」と言った。救外とは救急外来のことだ。自分の子供を育てることで、一通りの病気の経過を学ぶだけではなく、お母さんの気持ちも理解できる。小児科医として、学ぶ事は多いだろう。

マイコプラズマ肺炎の流行

7月頃からマイコプラズマ肺炎が多くなっている。従来、マイコは学童期に多いと言われてきたが、今回は違う。1歳から5歳の患者さんが多い。理由は保育園の流行にある。保育園で流行すると、1,2歳の子供もかかる。当然、幼稚園でも流行がある。
症状は高熱と激しい咳だ。高熱は3,4日続き、痰のからんだ咳が残る。乳幼児がかかると、呼吸困難になって「肺炎で入院」となることも。学童年齢に比べて、乳幼児の症状は重い。注意が必要である。
問題は2つ。1つはインフルエンザのような迅速検査がないこと。診断には血液検査が必要である。当院でも血液検査で確定診断を行っている。2つ目は通常使う抗菌薬が効かないことだ。ペニシリン系、セフェム系が効かないサワシリン、セフゾン、メイアクト、フロモックス、バナン、トミロンなどすべて効かない。マクロライドかテトラサイクリン系を使う。おなじみはクラリス、クラリシッド、エリスロシンであるが、切れは悪い。
診断に時間がかかることと、治療薬の選択が難しい。この点は要注意である。鑑別すべき疾患はRSウイルス感染とインフルエンザである。まだ、インフルエンザが流行していないのが救いだ。

金木犀(きんもくせい)

この3連休も運動会が多い。小学校では学芸会もある。天気は問題なさそうで一安心。今日(土曜日)は予防接種で忙しい1日となるだろう。金木犀の香りに、秋を感じる。
「金木犀の花粉症ってありますか?」という質問を受ける。科学的に証明はされていないが、経験的に金木犀の花粉症はあると思っている。割と多いのではないか?金木犀の匂いをかぐとクシャミが出るとか、公園に行くと目がかゆくなると訴える人がいる。しかし、金木犀の花粉は、飛んでもせいぜい2週間。スギのように3か月近くも飛ぶわけではない。工夫すればアレルギーを証明できるだろうが、あまり無粋な真似はしたくない。2週間ぐらい、薬を飲めばいいのだから。
9月26日から10月2日の1週間で、インフルエンザと診断された方は、全国で185名。東京は6名であり、沖縄、山口、愛知で多く報告されている。その前の週が100名前後なので、少しずつ増えてくるかもしれない。
1年で最も気持ちのいい季節。爽やかであり、お出かけ日和?既に高速道路では渋滞が始まっている。私は今日も仕事。明日は学会で東京に出てくる友人と、久しぶりに食事だ。

ロタシールド

いくつか質問をいただいている。ロタワクチンについての追加である。
ロタウイルスは嘔吐、発熱、下痢などの胃腸炎を起こす。人間だけではなくサル、犬、猫、牛などの哺乳類や、鳥にもロタウイルス感染は起こる。人のロタウイルスが、ペットの犬や猫に感染したという経験はない。逆に猫ロタウイルスが人に感染するかは?である。
1998年にアカゲザルから分離されたロタウイルスに改良を加えたロタシールドという、経口生ワクチンが実用化された。ところが、飲んだ後に腸重積が多く見られたことから、1年でこのワクチンは姿を消した。実際に、ロタウイルス感染を起こすと、腸の動きが活発になり、腸重積を起こすことがある。胃腸炎がきっかけで4回も腸重積になった患者さんもいた。
その反省もあって、ロタリックスは6週から24週、ロタテックは3回の内服のため6週から32週の乳児が適応である。もともと、この年齢制限は日本で決めたものではなく、外国での決まりであり、ワクチンも決まりもそのまま輸入することになった。腸重積の好発年齢は6か月から2歳である。この点が考慮されたのではないか?ちなみに、ロタリックスは人ロタウイルス由来であり、ロタテックは牛ロタウイルス由来である。
では8か月や1歳の子はロタワクチンは飲めないのであろうか?公費負担ではないので、お金を出せば接種できるのではないか?期間外(つまり適応年齢外)の接種は(腸重積の危険を考慮して)禁忌であり、事故や副作用が起こった時には、国の救済はない。ロタウイルス感染は、嘔吐に始まり、下痢が止まるまで1週間ぐらいはかかる。保育園児にとっては深刻であり、脱水などの症状は重い。
娘たちと家内とその話題になった。症状の重さを知っている娘たちは、「(私の孫には)6か月を過ぎていても、ワクチンは飲ませたい」と言った。「生ワクチンなので、1回でも効果は十分ではないか?」という話にもなった。発想はポリオの生ワクチンと同じだ。
これで質問に対する答えになっていないかもしれないが、お許し願いたい。

知識

読書の秋である。読書はストーリーを楽しむこともできるし、知識を増やすこともできる。知識は人生を豊かにしてくれる。花の名前にしても、鳥の鳴き声にしても、仏像だって、野菜の名前だって、知識があると生活が楽しくなる。しかし、この年になると、なかなか新しいことは頭に入って来ない。脳の劣化?退化?
知識は2つに分類すると便利だ。1つは生きていくために必要な知識、もう1つは生活をちょっと豊かにしてくれる知識。花や鳥、魚を見て薀蓄を垂れるのは、後者の知識だ。この知識は楽しいが、実践では役に立たない。私はこの役に立たない雑学が好きだ。
前者の知識で最も大切なものは、仕事の知識だ。当然、生きていくために必要なもの。この知識は自ら取捨選択をするだけでなく、経験に照らし合わせて、その意味を十分に理解する必要がある。本を読んだだけで得られるものではない。この知識は他人にはなかなか伝えられない。この知識の質と量が人生を大きく左右する。抽象的な話になってしまった。人生にとって本当に役に立つ知識とは、立場や仕事が違うため、人それぞれ違う。自分に必要な知識とは何か?と考えることは重要である。知識を2つの箱に分けて入れてみよう。

雑談

インフルエンザワクチンの接種が始まった。希望者は例年並み。昨年は新型インフルエンザがワクチンに含まれていたため、法的な規制があり価格も全国統一であった。一昨年は11月から新型単独ワクチンが登場して、優先順位などで大騒ぎとなった。これも価格は統一されていた。新型が含まれたワクチンについては、各自治体から助成があったが、各自治体で助成の金額が異なっていたため、世田谷区以外の自治体の助成は、当院では受けることが出来なかった。今年は法的に新型という名称はなくなっている。
以前から説明しているように、ワクチンの接種量が、13歳未満については、およそ2倍になった。当然の事ながらワクチンの消費スピードは速い。購入量は増やすことはできない。接種できる人数は当然減る予定。まあ、自治体の相互乗り入れがないので、世田谷の方だけの接種なので、問題なくこなせるだろうと高をくくっていた。
患者さんから「杉並は助成がありません」と言われ(子育て応援券は当院では使えません)、スタッフに助成の実態を調べるように指示した。世田谷は1000円の助成がある(用紙は当院に届いている)。助成の内容は異なるのだが、渋谷、新宿、千代田区は助成がある。杉並も中野も目黒も、三鷹も調布も府中も狛江も助成はない。この報告を聞いて、私が慌ててしまった。
次に、近隣のワクチンの接種価格を調べてみた。3年前までは、ダンピング合戦であった。当院は開院以来、2500円で統一である。今年は接種量の増加、接種人数の減少もあって、価格は例年より高い。助成がないことと、近隣の価格の上昇は危険だ。しわよせ(?)がこちらに来る可能性が出てきた。子供は2回の接種。在庫の調整が必要になった。今年は一時的に(?)ワクチン不足の騒ぎになるだろう。騒ぎに巻き込まれない事を願っている。

連絡事項

休日診療と日曜日のインフルエンザ予防接種日のお知らせ。

10月10日(月・祝)体育の日は午前7:30~9:00まで診療受付。(予防接種の受付はしておりません)


日曜日のインフルエンザ予防接種日の受付は
10月23日(日)
11月6日(日)
11月20日(日)
12月4日(日)
午後2:00~4:00まで診療受付、午後4:00~6:00までインフルエンザ予防接種の受付となっております。

月曜日~土曜日診察時間内も随時インフルエンザ予防接種受付しております。

ロタリックスとロタテック

まだロタウイルスは姿を見せていない。嘔吐下痢症の横綱はロタウイルス感染である。頻回の嘔吐、そして高熱、その後に数日下痢が続く。下痢が漆喰色になることから、白色便性下痢症ともいう。嘔吐、高熱で急速に脱水となり、点滴が必要なことも多い。便の検査で、すぐに診断できる。乳児がかかると、脱水などで命を落とすこともある。
このロタウイルスの生ワクチンが、輸入される予定だ。年内にGSK(グラクソ、スミス、クライン)のロタリックスが承認されるのではないか。MSD(メルク、シャープ&ドウムスだったかな?)のロタテックは来年になるかもしれない。
子宮頸がんもGSKのサーバリックス、MSDのガーダシルが認可されている。全く同じ組み合わせ。しかも、子宮頸がんワクチン同様に、内容が異なる。ロタウイルスにはサブタイプがある。G1Pの生ワクチンがロタリックスであり、G1Pを含めた5つの型を含むワクチンがロタテックである。ともに、90%以上の予防効果が証明されている。
1)ともに生ワクチンである。
2)ロタリックスは4週以上の間隔で2回、ロタテックは3回の内服となる。
3)対象年齢:ロタリックスは生後4週から24週までに2回の内服を終了。ロタテックはは32週までに3回の内服を終了。
4)価格は未定。1回につき1万前後になるのではないか?
(コメント)
ロタウイルスは重症の嘔吐下痢症である。予防できることは、朗報である。しかし、生後6か月までに2回の内服。内服後の4週間は予防接種はできない。この時期はBCG,ヒブ、肺炎球菌ワクチン、DPTと、予防接種が目白押しである。果たしてどこまで浸透するか?疑問は残る。おそらく、価格も高い。ロタリックスの発売が決まったら、お知らせする予定である。