院長の独り言(ギャング化)

10歳から15歳を前思春期と呼ぶ。子供にとっては親離れの助走であり、親にとっては子離れの準備期間。この時期は親の言うことは聞かず、仲間と反抗を繰り返す時期で、いわゆるギャング化する時期である。特に男子は群れから出ていく運命にあり、若い♂同士は群れて、お互いに刺激しあい、精神的にも肉体的にも親離れする準備段階に入る。私も母から「中学、高校と全く言うことを聞かなかった。ヤクザみたいなもの」という表現をされた。
群れることで一体感があり、既成のルールに抵抗して、自分たちの独自のルールを作ろうとする。それが思わぬ発展をすると、いわゆる集団の中のイジメにつながり、悲惨な犯罪に及ぶ。その「思わぬ」の原因は、家庭の不和や貧困であり、子供の学習障害だと、私は思っている。
この前思春期にあるべき親離れ、子離れがうまくできなくなっている。親は子供を自分の分身と捉え、塾や習い事に時間をかける。子供はギャング化する時間もなく、親離れの儀式ができなくなる。その延長に引きこもり、家庭内暴力がある。逆に、生活に追われてほったらかし状態になることも。そこにも親離れの儀式を行う時間も場所もない。食べるものも十分にはなく、家族の絆も学習能力もない。このような状況でギャング様状態になると、「思わぬ」事件は起こる。
私は大人になってからも親と暮らしたいと思ったことはない。♂は独立して家庭を築くものだと思っていた。最近驚くのは、「大学も家から」「会社も家から」という若者が多いこと。経済的な理由もあるだろう。しかし、それだけで説明はできない。親と子の距離感、経済格差、学力格差が未成年の犯罪を引き起こしている。