オタフクカゼによる難聴

オタフクカゼによる難聴が、どのくらいの頻度で起こるかは、正確には分かっていない。その調査が始まるようだ。頻度不明の理由は主に片側の難聴であり、子供自身が片方が聞こえていると、生活に支障がないため、「聞こえない」と訴えることが少ないからである。私は大人も含め(小学校高学年以上では難聴を訴える)4名ほど、難聴になった記憶がある。いずれの症例も片側であり、オタフクカゼによる難聴は、回復することはない。
この1年間、小学生を中心に、地味に(?)オタフクカゼが流行している。オタフクカゼは2度かかることがあり、予防接種をしていてもかかることがある。この半年で、オタフクの予防接種をしていて、免疫があるにもかかわらず、オタフクカゼに罹患した患者さんが2名。しかし、大半の症例が未接種の方である。90%以上はワクチンによって予防できる。
「みなさん、オタフクの予防接種をするのですか?」という質問を受ける。事情があって、オタフクオタフクカゼの予防接種は定期接種ではなく、任意接種のままである。杉並のように接種に助成がある地域では、予防接種率が高く、世田谷区のように助成のない地域では低い傾向にある。私はMRワクチンと水痘ワクチンの後に、自費になるがオタフクカゼワクチンを強く薦めている。理由は自然感染による難聴と、30名に1名の割合で起こる髄膜炎という合併症を防ぐためである。
小学生以上になると、オタフクカゼの症状は重くなる。大人ではさらに重症化する。流行が続いている事情も考えて、オタフクカゼワクチンの接種をお薦めしたい。ただし、杉並区在住の方の助成は、杉並区の医療機関でしか受けることができない。杉並区の方は「三宅小児科すぎなみ」を利用いただければと思う。