失敗の本質

寝室や診察室、テレビの前など、狭い我が家のいたるところに、読みかけの本が散乱している。本当に困ったもので。昆虫の本や動物、植物関係から推理小説まで。推理小説や時代小説は、時間が経つとストーリーを忘れてしまい、スジが解らなくなる。
小池都知事の愛読書と言われて、本屋に山積みされている1984年に出版された「失敗の本質」を買ってきた。第二次世界大戦の軍部の作戦失敗の原因を分析した、いささか読みにくい本である。確かに面白く、深く分析されている。
失敗の本質は精神論を中心とした、希望的観測による判断と、情報収集能力の欠如、食料や軍事物資などの供給の重要性を認識できなかったことなどがあげられる。作戦を立てる上で、最悪の事態になった時を想定しておくことは、最も大切な事だが、「日本は負けるはずはない。負けることを想定することは反逆的な行為だ」という思想があったことに驚きを覚えた。
私は戦略会議で、空気を読む、顔色を窺うという日本的な(?)態度と、失敗しても責任は取らない点は、今の都政を見ても同じである。命令に従わずに戦いを挑み、多くの部下を犠牲にした将校が、責任を取ることなく出世していく。今も同じ。今の都知事が、この本を愛読する意味はよくわかる。石原氏だけでなく、多くの副知事や猪瀬氏、舛添氏も出てきて説明する義務がある。