アンチワクチン

保育園や小学校の入学前健診で、ワクチンを全く接種していない子供に出会うと聞く。私も母子手帳をみて驚いた経験がある。「ワクチンは怖い」「知り合いの子供が予防接種の副反応で」「自然にかかった方が免疫がしっかりつくので」という主張。大胆に「私はワクチンは接種しない主義で」とくる。人の考えをとやかく言うつもりもないし、堂々巡りは時間の無駄なので、「お子さんのためには、MRワクチンとDPT-IPV4種混合は、少なくとも接種すべきですよ」と話す。できれば水痘ワクチンやオタフクカゼワクチンも接種してほしい。
アンチワクチン派と議論しても、平行線になるので意味はない。罹患した時の危険度、公衆衛生学的な見地と、「万一、わが子に」という各論の議論である。この議論の結論は出ない。私はこの議論をする意味を感じていないし、時間の無駄だと思っている。昔は保険証も持たず、「予防接種をする必要はないですね」という話をするために来院した方もいた。話自体をとやかく言うつもりはないのだが、待合室に多くの患者さんが待っている状態で、「自分の考えは正しい」ということに、単に同意を求めて自分の責任を軽くするためだけの目的で、無料相談に来る。診察中に意味のない無料相談をする時間はないので、私は相手にしないことにしている。
面白いのは、私より若い「すぎなみ」の神尾に話が行くようだ。若いしすれていない分、丁寧に対応し、必要最低限の予防接種を推奨している。報告を受けるたびに、「意味のない相談は受けつける必要なし」と伝えている。30分以上の意味のない無料相談は、他の患者さんの迷惑になるからだ。
渡航者の麻疹感染が問題となっている。都内で今月は4名発症したとのこと。ワクチン接種で99%以上予防できる病気だ。麻疹は重症で、死亡率も高い。先天性風疹症候群の問題もあり、公衆衛生学的にも風疹ワクチンも接種すべきだろう。デメリットとメリットのバランス。それが予防接種に対する考え方だ。